はてな年間100冊読書クラブ 001/100

塩野七生ローマ人の物語〈15〉ローマ世界の終焉』

ローマ人の物語 (15) ローマ世界の終焉

ローマ人の物語 (15) ローマ世界の終焉

本当は2006年4月1日から一年の予定でいましたが、さぼっていましたので仕切り直します。
本書はローマ帝国の興亡を描いた一連のシリーズの15巻で最終巻となります。これまで年に1冊ずつ刊行されており、第1巻が出たのが15年前の1991年です。このときからの読者ですからこの度ようやく完結の運びとなり、実に感慨深いものがあります。長かったなぁ。ぶっちゃけこの世の未練が一つ減りました。とは言ってもまだ未練はたくさんありますが(FSSはとうに20年超えたし)。
前巻までは衰えつつもまだ命脈を保っていたローマ帝国がこの最終巻で一気に崩壊する。それはもう完膚無きまでにあっという間に。蛮族の侵入によりローマ帝国ローマ帝国たらしめた人材もインフラも根こそぎ失われていきます。諸行無常
世界史では西暦476年に傭兵隊長オドアケルによって西ローマ帝国が滅ぼされたと習った覚えがありましたが、どのように滅ぼされたかまでは知りませんでした。派手な戦いの末、首都ローマが陥落し最後の皇帝が殺された末の滅亡かと思っていましたが、このような最後だったとは思いませんでした。地中海を内海とし、ヨーロッパ・北アフリカ・中近東にまたがる大帝国の最後としては実にあっけない終わり方。オスマントルコに滅ぼされた東ローマ帝国の方がまだ劇的です。