沢村賞

日本シリーズも見ていなくはないですが、特にどちらかに肩入れして見ている訳でもなく、あぁやってるなという感じで、心は既にシーズンオフです。
そんな訳で、ここのところ野球関係のネタが少なくなっております。気の向いたニュースだけ、つまみ食いする形です。

本年度沢村賞の受賞者が中日の川上に決まりました。
個人的にはまあ妥当なところかなと思います。

選考基準は15勝以上、奪三振150以上、完投試合10以上、防御率2.50以下、投球回数200イニング以上、登板回数25以上、勝率6割以上の7項目。これら各項目をどれだけ満たしているかが「沢村賞選考委員会」で話し合われて決定します。
藤田元司選考委員長によると、今年は勝利数を重視し、他は甘めとのこと。確かに、昨年の井川・斉藤のように飛びぬけた成績の投手がいませんので難航したのではないかと思います。
選考基準に該当する成績を見てみると、

15勝以上(該当者:2名)
1 川上  中 17勝 ◎  1 岩隈   近 15勝 ◎
2 井川  神 14勝    2 金村   日 13勝
3 上原  巨 13勝    3 渡辺俊  ロ 12勝
3 山本昌 中 13勝    4 新垣   ダ 11勝
             4 ミラバル 日 11勝

奪三振150以上(該当者:7名)
1 井川  神 228個 ◎  1 新垣  ダ 177個 ◎
2 川上  中 176個 ◎  2 バーン 近 154個 ◎
3 ベイル 広 173個 ◎  3 小林宏 ロ 137個
4 木佐貫 巨 154個 ◎  4 松坂  西 127個
5 上原  巨 153個 ◎  5 清水直 ロ 126個

完投試合10以上(該当者:1名)
1 黒田  広 7試合    1 松坂 西 10試合 ◎
2 井川  神 6試合    2 新垣 ダ 9試合
3 川上  中 5試合    3 岩隈 近 7試合
4 高橋尚 巨 3試合    3 和田 ダ 7試合

防御率 2.50以下(該当者:なし)
1 上原  巨 2.60    1 松坂  西 2.90
2 山本昌 中 3.15    2 岩隈  近 3.01
3 川島  ヤ 3.17    3 新垣  ダ 3.28
4 川上  中 3.32    4 清水直 ロ 3.40
5 井川  神 3.73    5 渡辺俊 ロ 3.59

投球回数200イニング以上(該当者:1名)
1 井川 神 200 ◎    1 新垣   ダ 192 1/3
2 川上 中 192      2 バーン  近 173 2/3
3 福原 神 181      3 パウエル 近 170 2/3
4 石川 ヤ 163      4 清水直  ロ 169 1/3
5 上原 巨 163      5 金村   日 167 1/3

登板回数25以上(該当者:いっぱい)

勝率6割以上(該当者:10名)
1 上原   巨 .722 ◎ 1 岩隈  近 .882 ◎
2 川島   ヤ .714 ◎ 2 渡辺俊 ロ .667 ◎
3 川上   中 .708 ◎ 3 松坂  西 .625 ◎
4 山本昌  中 .684 ◎ 3 和田  ダ .625 ◎
5 ドミンゴ 中 .667 ◎ 5 金村  日 .619 ◎

◎は基準を満たしている選手

川上は、勝利数については頭一つ抜け出していて、それ以外の項目では他者にトップを譲っています。ただ、全ての項目で顔を出しているのは川上ただ一人です。
それ以外で、選考対象と成り得そうなのが、阪神井川、巨人上原、近鉄岩隈、西部松坂、ダイエー新垣くらいでしょうか。これらの選手は、それぞれ基準を1つ〜2つ満たしていますが、基準に達していないところが悪すぎました。
例えば、巨人上原は、十二球団一の防御率(それでも2.50に達してませんが)と勝率を誇りますが、勝ち星と完投数が物足りません。阪神井川は、ただ一人200イニングの登板を果たし、奪三振でもただ一人200個を超えています。反面、防御率と勝率に難があります。
優勝への貢献もありましたし、トータルとしてみた場合、今年は川上となったのでしょう。
何故、ここまでだらだらと沢村賞について書いているのかと言うと、五輪と怪我さえなければ、上原が史上四人目の三度目の沢村賞の受賞もあったのではと未練たらしく思ったからです。スポーツにたらればを言っても仕方ないですが。
ところで、その年一番の打者を称える賞ってないものでしょうか?三冠王も打者のタイトルですが、その年のという感じではないし、投手も防御率最多勝奪三振の投手三冠も別にあるし。川上哲治が死んだ後にでも、川上賞でも作りませんかねぇ。