Zodiac

久しぶりに映画館にて映画鑑賞。恐らく今年初めてだったと思います。今週から公開の「Zodiac」を見てきました。
19:10からの上映でしたが、ガラガラで300人の定員のうち一割程度しか埋まっていなかったように思いました。おかげで実に快適でした。いつもこんな感じだったらもう少し映画館に足を運んでもいいかも。
内容についてはネタバレしない程度に。
この映画は実際にアメリカで起こった連続殺人事件を元にしています。日本ではあまりなじみのある事件ではなく犯罪マニアでないと知らないであろう事件ですが、19世紀の「切り裂きジャック」事件と並んで今日の劇場型犯罪のはしりとされ、社会的影響の大きかった事件です。映画『ダーティハリー』もこの事件の警察の不甲斐なさを反映して生まれたとの話もあります。
あくまでも未解決事件であるため、探偵が一同を集めて「犯人はあなたです!」とか、がけっぷちで犯人が告白したりとか、以外な黒幕との一対一の対決とかはありません。付け加えるなら笑いも涙も感動もラブシーンもありません。時間軸に沿って終始淡々と話が進みます。では何があるのかというと事件によって人生を狂わされながらもひたすら真犯人を見つけ出そうとする男たちの執念があります。二人の刑事と花形新聞記者、風刺漫画化の四人が事件を追いますが、ある者は酒とドラッグに逃げ、ある者は家族ののために去り、ある者は疑惑を掛けられ更迭されと一人また一人と退場していきます。それでも彼らは追い続けるのです。デヴィッド・フィンチャー監督はあえて有名俳優を起用せず、抑えた映像表現を心がけたとのことですが、淡々としつつも引き込まれるのはそんな執念が描ききれているからかもしれません。
個人的には好きなタイプの映画で2時間半の上映時間も苦になりませんでした。もっとも、そもそもこの事件の概要を知らない人が見たら結末に肩透かしをくらうのではと思います。万人受けする映画ではないかと。
今月期限のただ券があと一枚残っているし、土曜日に『ダイ・ハード4.0』でも見に行くか。こっちは混んでそうだけど